"Go postal"というスラング、耳にしたことはありますか?この表現は、日常会話や映画、ドラマなどで時折使われるものの、その背景や意味合いを正確に理解している人は少ないかもしれません。
本記事では、"Go postal"の意味、語源、使用例、そして誤解されやすい点までを詳しく解説します。この表現を正しく理解し、より自然な英会話を目指しましょう。
1. "Go postal"とは?
(1) 基本的な意味と使い方
"Go postal"は、直訳すると「郵便局に行く」となりますが、スラングとしては全く異なる意味を持ちます。一般的には、「激しく怒り狂う」「理性を失って暴力的な行動に出る」といった意味合いで使われます。これは、後述する語源が示すように、職場での過度のストレスや不満が爆発し、暴力的な行動に至る状況を表す言葉として広まりました。
日常会話では、「彼はテストの結果が悪くて、go postal寸前だったよ」のように、人が極度に怒っている様子を表現する際に用いられます。
(2) スラングとしてのニュアンス:怒りや暴力の表現
"Go postal"は、単なる怒りを超えて、まるで制御不能になったかのような激しい感情を表します。それは、普段は穏やかな人が、限界を超えて爆発するようなイメージです。この表現が持つ強烈なニュアンスは、単に「怒っている」と言うよりも、より深刻で、危険な状態を示唆します。そのため、使う際には相手や状況をよく考慮する必要があります。
2. "Go postal"がなぜそんな意味に?語源解説
(1) 郵便局での事件と語源の誕生
"Go postal"というスラングが生まれた背景には、1980年代後半から1990年代にかけてアメリカの郵便局で発生した、従業員による職場内での銃撃事件が深く関わっています。これらの事件は、過酷な労働環境やストレス、不満が原因で起こったとされ、メディアで大きく報道されました。
この一連の出来事が、「郵便局員が激怒して暴力的な行動に出る」というイメージを社会に植え付け、「go postal」という言葉がスラングとして定着するきっかけとなりました。
(2) メディアと社会現象化
メディアはこれらの事件をセンセーショナルに報道し、「郵便局員=キレやすい」というステレオタイプを助長しました。映画やテレビドラマでも、"go postal"という表現が怒りを爆発させるキャラクターを描く際に使われるようになり、この言葉は社会現象として広まっていきました。
特に、日常的なストレスが蓄積した結果、人が突然暴力的になるというイメージは、多くの人々に共感と恐怖を与えました。これにより、"go postal"は単なるスラングとしてだけでなく、社会的な不安や問題を象徴する言葉としても認識されるようになったのです。
3. "Go postal"の使用例
(1) 日常会話での使用例
例えば、同僚が理不尽な要求に怒って「I'm going to go postal if they ask me to do that again!(もしまた同じことを頼まれたら、キレるぞ!)」と言うように、日常会話で怒りや不満が爆発しそうな状況を表す際に使われます。
また、「He went postal when he found out his car was towed.(彼は車がレッカー移動されたと知って、激怒した)」のように、特定の出来事がきっかけで激しい怒りを示す場合にも用いられます。
このように、"go postal"は、日常生活における様々な怒りの感情を表現するのに役立つスラングです。
(2) 映画やドラマでの使用例
"Go postal"は、怒りを爆発させるキャラクターを描写する際にも効果的に用いられます。例えば、職場での不満が爆発した人物が暴走するシーンで、「He's about to go postal!」というセリフが使われることがあります。
また、アクション映画やサスペンスドラマでは、追い詰められた状況で主人公が狂気に走る様子を「He went completely postal」と表現することで、緊迫感を高める効果もあります。
このように、"go postal"は、フィクションの世界でも、キャラクターの心理状態やストーリー展開を効果的に表現するのに役立っています。
(3) 使用上の注意点:不適切な場面
"Go postal"は非常に強い表現であり、使用する場面を選ぶ必要があります。特に、実際に暴力や攻撃的な行動を伴う可能性のある状況や、深刻な怒りを表すには不適切です。
また、職場や公共の場など、フォーマルな場面での使用は避けるべきです。このスラングは、あくまでも比喩的な表現として、親しい間柄での会話や、フィクション作品の中で使うのが適切でしょう。
誤解を招かないよう、TPOをわきまえて使用することが大切です。
4. まとめ:正しく理解し、適切に使うために
"Go postal"は、その語源と強いニュアンスから、安易に使うべき表現ではありません。このスラングは、怒りや暴力的な行動を誇張して表現する際に使われますが、現実の場面での使用は誤解を招きやすく、不適切となることもあります。表現の背景にある社会的な文脈を理解し、使用する際は、相手や状況を十分に考慮することが重要です。スラングの持つ面白さを理解しつつ、言葉の持つ力を認識して、適切に使いこなしましょう。